ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.193(2022年3月11日)20代のお金の知恵/今、貯蓄ゼロの20代の皆さまへ

前回、今20代の皆さまは、貯蓄に対する目的意識が高いので、投資をはじめる人も増えている、とお伝えしました。でも、少し気になるのは、20代で貯蓄ゼロの人も増えている、ということ。貯蓄に意識高い系なのに、貯蓄ゼロの人も増えている? いったい、どういうことなのでしょうか?

20代単身世帯の貯蓄事情

20代単身世帯の貯蓄事情

ひと言で言えば、20代で2極化が進んでいる、ということですね。貯蓄の目的をしっかり見定めている人が増えている一方で、「特に目的はないが、保有してれば安心」という人が減っています(下表)。目的意識が高い人が増えたから、その裏返しですが、もしかしたら、「目的がないとはじめられない」とか「目的を考えあぐねている」という人が増えているのかもしれません。あとはやはり、給与水準が思うように上がらず、社会保険料などの負担が増える中、「貯蓄する余裕なんてない」という人が多いのでしょう。

20代単身世帯の貯蓄保有目的

20代単身世帯の貯蓄保有目的

そんな貯蓄ゼロの今20代の皆さまに申し上げたいのは、まず、「何となく安心だから貯蓄する、そんな感じでもOK!」ということ。目的はあるに越したことはないのですが、貯蓄による安心感は何物にも代えがたい、と思うからです。何が起こるか分からない、人生100年時代なら尚更ですよね。

そしてもう一つ。そもそも貯蓄するには、収入を増やす、支出を減らす、投資で増やす、この3つしかありません。そのうち、自分で確実にできることは、支出を減らすことだけ。収入も投資も増やそうと努力はできても、確実に増えるとは限りません。であれば、貯蓄のために誰もが「いま、できる、こと」は、支出を減らすこと、それをさらに確実に実行する手段が給与天引きによる貯蓄なのです。これが、勤め人にとって給与天引きが最強の貯蓄法だと言われる所以(ゆえん)ですね。

ですから、今20代で貯蓄ゼロの人には、肩肘張らずに給与天引きをはじめませんか、と申し上げたいですね。こんな風に考えれば、貯蓄は誰でも「いま、できる、こと」になるはずです。

  • ※出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」

大和証券
2021/12/24作成

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