ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.202(2022年5月20日)20代のお金の知恵/Z世代から変わる、日本人の相場観

デフレが長く続く日本、今や20代でも、投資で資産形成に取り組む人が増えています。でも、デフレだけがきっかけではないようにも思います。10年前も同じデフレだったのに、今ほど20代の投資のことが話題にならなかったからです。今の20代と10年前の20代(今の30代)、何が違うのでしょうか?

色々と調べてみると、アメリカのある調査でこんな結果を目にしました。「人々の生涯にわたる投資判断は、その人が同時代に経験したこと、特に成人して間もない頃の経験に大きく左右されることが明らかになった」そうです。株式市場が好調な時代に育った人は、株価低迷の時代に育った人に比べて、その後の人生で株式に投資する額が多かった、とのこと。また、いわゆる、世代論でも、政治、経済、社会情勢などの変化が、個人のアイデンティティが確立される青年期(13~19歳)に一定程度の影響を及ぼす、とも言われます。これらをあわせて考えると、10代から20代にかけて、どんな株式市場を経験したのか、そんなことが個人の投資判断に大きく影響しているのかもしれません。

そこで、日本の場合はどうなのか、今年35歳になる人と25歳になる人とで、10代から20代にどんな株式市場を経験したのかを比較してみました。下のグラフをご確認ください。

今年35歳の人と25歳の人が経験した株式市場

今年35歳の人と25歳の人が経験した株式市場

ご覧いただくと一目瞭然ですが、今の25歳は、右肩上がりで3倍弱になっている株式市場を経験している一方、今の35歳はずっとマイナス圏でようやくトントンになったマーケットしか見ていなかったのです。株式市場に対する見方や投資判断に大きな違いが生まれるのも無理からぬことですね。

さて、最後にここでも世代の話。2021年の流行語大賞やヒット商品でも話題になった「Z世代」、一般的に1996年から2010年頃に生まれた人たちを指します。ちょうどグラフで示した今年25歳前後の人から下の世代になります。株式市場が好調なときに育ったのが「Z世代」とも言えるのです。
ですから、バブル崩壊後も長年不振が続く株式市場、それを嫌気する悲観的な日本人の相場観も、この「Z世代」から変わっていくのではないか、そんなことを期待しています!

  • ※出所:モーガン・ハウセル、『サイコロジー・オブ・マネー -一生お金に困らない「富」のマインドセット』、ダイヤモンド社、p.28

大和証券
2022/3/4作成

ライフプランコラム
「いま、できる、こと」トップページ

TOP