ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.228(2022年11月18日)持株会に加入したくなる、金融リテラシーとは!?

東京証券取引所の従業員持株会調査※1によれば、持株会制度は、上場企業の約9割で導入されていますが、加入者は導入企業の従業員全体の約4割に留まっている、とのこと。もちろん、上場企業も手をこまねいているわけではなく、持株会の利用メリットとも言える奨励金、これを引き上げる企業が増えています。その水準は拠出金1,000円につき、平均で約88円※1、率にすると8.8%ですから、超低金利の今だと、かなり魅力的なメリットのように思えるのです。

でも、奨励金の水準を改めて伝えても、大半の人は百も承知。「給料が上がらないから、そもそも持株会をやるお金もないんだよ(怒)」なんて逆ギレされるかもしれません。いやいや、少し冷静になりましょう(苦笑)。日本企業の様子を俯瞰して眺めてみたいと思います。以下のグラフをご覧下さい。

日経平均株価と人件費率、株主配分比率の推移※2

日経平均株価と人件費率、株主配分比率の推移

まずはグラフの見方。人件費率と株主配分比率とは、企業活動で生み出された付加価値のうち、従業員にどれくらい支払われ、株主にどれくらい還元されたかを示した比率です。21世紀以降、人件費率が若干低下し、株主配分比率は上昇していることがわかります。

「やっぱり給料は上がってないのか!」、おっしゃる通りです。でも、失われた30年と揶揄されながらも、企業がマインドチェンジしている様子を考えれば、現役世代にとって「いま、できる、こと」があると思うのです。つまり、給料が伸び悩む中だからこそ、日本企業の積極的な株主還元を好機と捉え、株主としての対価を獲得しながら資産形成を進める、ということです。

これも一つの「金融リテラシー」。そして、日本企業へ投資するなら、最初に考えるべきは持株会になるでしょう。なぜなら奨励金がついていて、お得に投資ができるから。つまり、こんな「金融リテラシー」を一つ身につけるだけで、奨励金の魅力もさらに輝きが増す、そんなふうに思います。ご参考まで。

  • ※1 出所:東京証券取引所「2020年度従業員持株会状況調査結果の概要について」(2022年6月10日)
  • ※2 出所:法人企業統計(金融業・保険業を除く、資本金10億円以上)をもとに集計

大和証券
2022/9/1作成

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