ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.275(2023年10月13日)ライフプランセミナーFAQ⑦/繰上返済 vs 住宅ローン減税

40代向けのライフプランセミナーで住宅ローンの繰上返済のことをご紹介しました。

繰上返済とは何か?住宅ローンを毎月返済している分とは別に、元金の一部、または全部を前倒しで返済すること。そして、繰上返済には毎月の返済額は変えずに返済期間を短縮する「期間短縮型」と、毎月の返済額を軽減する「返済額軽減型」の2つのタイプがあること。さらには、利息軽減効果が高いのは「期間短縮型」であり、繰上返済は早ければ早いほど、利息軽減効果が高くなること。一方、「返済額軽減型」には、毎月の家計のやりくりが楽になる、というメリットがあり、どちらのタイプを優先するかは、あなたのライフプラン次第だと、そんな説明をしました。

以上の説明を踏まえて、セミナー終了後、以下のようなご質問を頂戴しました。

「現在、住宅ローンを変動金利型の元利均等で返済しており、今後、繰上返済しようと思っています。セミナーでは、繰上返済は早いほど利息軽減効果が高いということでしたが、10年間の住宅ローン減税を受けてから繰上返済するのと、すぐにでも繰上返済するのはどちらがよいでしょうか」

繰上返済と住宅ローン減税のどちらを優先すべきなのか、よくあるご質問ですね。住宅ローン減税とは、ローンを組んで家を購入すると、年末のローン残高に応じて所得税が軽減される仕組みのこと。例えば、年末のローン残高が2000万円、控除率が1%なら、2000万円×1%の20万円が住宅ローン控除額となり、その分、所得税が減税されるのです。なお、入居した年や住宅の種類等により控除対象となる住宅ローンの限度額(2000万~5000万)や控除率(1%か0.7%)が異なりますので、ご質問には一般論としての回答を考えてみました。

結論から申し上げると、住宅ローンの金利次第ですね。

例えば、控除率が1%、住宅ローン金利が①0.5%と②1.5%でざっくりと比較してみましょうか。住宅ローン減税の適用期間中、①は0.5%の利息を払って1%の減税を受ける、受取超ですが、②は1.5%払って1%受ける、支払超になります。一方、繰上返済による利息軽減効果を①と②で比較すると、金利が高い分、当然、②の方が①よりも利息軽減効果は大きくなります。つまり、住宅ローン金利が低い①の場合、住宅ローン減税を優先させ、住宅ローン控除の適用期間が終わってから繰上返済をする、逆に住宅ローン金利が高い②の場合は、住宅ローン控除の適用期間中でも繰上返済を開始する、一般論としては、そんなふうに言えるかと思います。ご参考まで。

  • ※住宅ローン残高の多寡や住宅ローン控除の適用期間があと何年あるか等によって、微妙に結論が異なるケースもあるかと思います。あくまでも一般論として参考にしていただければ幸いです。

大和証券
2023/9/1作成

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