ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.307(2024年5月24日)リースバックは良いことだらけ、そんなふうにも見えますが……

前回ご紹介した「リバースモーゲージ」、そして今回ご紹介する「リースバック」、どちらもご自宅を資金化する、そして、自宅に住み続ける、という意味では同じです。でも、仕組みが違います。以下のイメージ図を一緒に確認してみましょう。

リースバックの基本的な仕組み

リースバックの基本的な仕組み※

「リースバック」は正式名称を「セールアンドリースバック」と言います。まずは「セール」、イメージ図では ①と②ですね、自宅を不動産会社に売却する、ということ。そして、「リースバック」が③と④、売却した自宅をそのまま賃貸して借りる、ということです。また、「リースバック」と「リバースモーゲージ」を比べると、右上の表のようになります。

リースバックとリバースモーゲージの違い

リースバックとリバースモーゲージの違い※

「リースバック」だと資金使途は自由、月々の支払いが家賃に変わり、所有権は不動産会社に移転しますが、不動産所有に付きものの修繕とか税金の支払いは不要になります。また、「リバースモーゲージ」よりも利用条件が緩く、所有権を相続しない分、相続人の煩わしさもありません。

なんだか良いこと尽くめの「リースバック」ですが、所有権は不動産会社にあるので、住み続けられるとは確約されないこと。また、不動産活用の余地が元所有者への賃貸だけなので、売却価格は低め、家賃は高めなことにも留意すべきでしょう。

前回、ある意味、老後資金の画期的な調達方法だと申し上げましたが、「リバースモーゲージ」や「リースバック」だけを当てにしたライフプランニングは避けるべきだと思います。あくまでも、経済的な自立を確保する上での選択肢として覚えておく、そんな感じで押さえておけばよいでしょう。

  • ※ 出所:やりくり一家のマネーダイニング「自宅で資金(下)リースバック」(2022/6/29、日本経済新聞)を参考に筆者が作成

大和証券
2024/5/10作成

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