ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.310(2024年6月14日)介護を自分事として考える②/親の介護から配偶者の介護へ

6つのカテゴリーに整理した、人生100年時代のお金の誤算※1、4つ目の「介護」について、前回は介護になった原因と要介護・要支援認定者数の推移を確認しました。今回はまず、何歳になると要介護や要支援が必要になるのか、そんなことをご覧いただきましょう。

要介護・要支援と認定される人の割合※2

要介護・要支援と認定される人の割合※2

当然、年齢を重ねるにつれて、要介護や要支援に認定される人が増える、ということです。そして、常々申し上げている「4人に1人の法則」だと、つまり、25%以上の人が要介護や要支援に認定されるのが、男性でも女性でも80代後半ですね。ですから、介護への備え、いつまでに備えるか、を考えるなら、80代が一つの目安になると思います。

もう一つ、興味深いデータを紹介しましょう。右上の表、横軸が要介護者、つまり、介護が必要な人。そして、縦軸が介護者、つまり、介護する人。ですから、誰の介護を誰がやっているのか、そんな組み合わせがわかるのです。

主な介護者と要介護者の年齢階級別組合せ※3

主な介護者と要介護者の年齢階級別組合せ※3

例えば、横軸、65歳から69歳の要介護者を誰が介護しているか?赤色で囲った59.3%、60代が介護しているのです。これは70代も一緒で、70代の介護は70代がやっている、つまり、60代と70代は、妻が夫を、あるいは夫が妻を、夫婦同士で介護するケースが多いのです。

ところが80代の介護の担い手は50代、つまり、80代の親の介護を50代の子どもがやっているのです。これは90代も同じで、90代の親の介護は60代の子どもが担っているのです。

ですから、ライフプランの観点から考えると、まずは親の介護に直面して、その後、配偶者の介護に携わることになる、これが介護を自分事として考える、ということだと思います。

  • ※1 出所:「何でもランキング 人生100年時代、お金の誤算」、『日本経済新聞』、2021年7月3日、朝刊、NIKKEIプラス1、1-2面
  • ※2 出所:厚生労働省「介護給付費等実態調査の概況(令和3年11月審査分)
  • ※3 出所:厚生労働省「令和元年 国民生活基礎調査の概況」

大和証券
2024/5/31作成

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